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梶 加名子; 岡田 紀夫
繊維学会誌, 34(7), p.331 - 335, 1978/07
ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)の布を塩素ガス中に置き、線を照射して得た塩素化試料の耐アルカリ性を検討した。種々の塩素含有率の布を炭酸ソーダ水溶液に浸漬、所定温度に加熱すると、多少とも重量損失が起こり、機械的性質は低下した。しかしながら、各種染料に対する染着性、水滴吸収速度より測定した親水性は、塩素化後のアルカリ処理によって著しく増大することが見出された。処理布を走査型電子顕微鏡で調べた。塩素化のみでは、繊維表面に変化は見られないが、アルカリ処理により、最大10の大きさの細孔が多数形成していることが認められた。染色性の改善、親水性の増加はアルカリ処理による細孔の形成によるものであり、この反応はポリエステル繊維の改質に応用できる。